お知らせ・情報開示
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- 2025.9.29
- 平成曽根崎苑
赤ちゃん型ロボット「かまって ひろちゃん」の実証実験に協力しています
老健そねざきでは現在、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、ヴイストン株式会社と連携し、
赤ちゃん型ロボット「かまって ひろちゃん」を活用した認知症高齢者支援に関する実証実験に協力しております。
この研究は、認知症のあるご利用者様が、“安心できる相手”や“話しかけたくなる存在”として「かまって ひろちゃん」と自然に関わることで、心が落ち着いたり、笑顔や会話が増えたりする変化が生まれるかを丁寧に見守るものです。
特に、認知症の周辺症状(BPSD)と呼ばれる「不安・徘徊・怒り・落ち込み」などは、
ご利用者様にとっても辛いものですが、日々の活動量や安心できる居場所が増えることで、こうした症状の緩和が期待されています。
この実証実験では、ご利用者様それぞれに専用の「ひろちゃん」が配布され、その方の反応や心の動き、スタッフの感じた変化などを記録しながら、中長期的な影響を検証していきます。
実施にあたっては、対象となるご利用者様・ご家族様に事前にご説明の上、同意をいただいた方のみを対象としております。
プライバシーやお気持ちに十分配慮したうえで、安心してご参加いただける体制を整えています。
また、「ひろちゃん」は見た目も機能も非常にシンプルで、音声には実際の赤ちゃんの「喃語(なんご)」を使用しており、ご高齢の方にとっても自然に受け入れやすい、親しみのある存在として設計されています。
さらに、スタッフにとっても、ご利用者様が穏やかに過ごされる時間が増えることは、
心理的・身体的な介護負担の軽減につながると期待されています。
なお、本研究はこれまでに特別養護老人ホーム・デイサービス・サービス付き高齢者向け住宅などで実施されてきたとのことですが、老健での実施は全国的にもまだ前例が少なく、貴重なケースの一つになると伺っております。
本研究には、石黒浩教授(大阪大学大学院基礎工学研究科 教授)が客員所長を務めるATR石黒浩特別研究所も関わっています。石黒教授は、「マツコロイド」などの開発でも知られる世界的なロボット工学者であり、2011年大阪文化賞、2015年文部科学大臣表彰も受賞された、非常に著名な研究者です。
この取り組みは、
・ご利用者様のQOL(生活の質)の向上
・介護職員の働きやすさ改善
・人とロボットの共存による新しいケアのかたちの実証
など、地域福祉の未来に大きな可能性をもたらすと考えております。
老健そねざきは、これからも現場から新たな価値を生み出す取り組みに前向きに挑戦し、
「人にしかできないケア」の価値を、ロボットやテクノロジーの力とともに高めてまいります。